りんご 
 
メイポールはもともと園芸用のりんごの木で、バレリーナツリーといわれる受粉樹です。
受粉樹とは一般に実をつけることを目的とされない花粉をとるためのりんごの木です。
特にふじとの相性がよく花粉は人口受粉やマメコバチによる受粉に適しています。
が、現在このメイポールを植えているりんご農家は非常に限られています。
日本全国でも大変珍しく希少なりんごの樹です。
                     

この花を見て、りんごの花だとわかる人はあまりいないでしょう。
春のりんご畑で一番早く濃い紅色の花を枝びっしりに咲かせます。
バレリーナツリーといわれるように、枝を横には伸ばさず、上へ上へと伸ばします。
まるでりんご畑にともる灯りのような背高のっぽのりんごの木です

                     


基本的には受粉樹なので、実を結ばないように、花が終われば摘花されます。
が、摘花しないと秋9月頃に、枝びっしり鈴なりに小さなりんごの実をつけます。
大きさはゴルフボール程度の小さいりんごです。
メイポールの一番の特徴は果肉が赤いということです。
味は非常に酸っぱいです。なので生で食べるりんごとして出荷されることはありません。
また、このりんごは隔年性(一年おきに実をつける)という特徴もありますので、
前年に実をいっぱいつけた木は次の年には花もほとんど咲かず実もほとんどつけません。
果肉が赤く色づく実りの時期を見極めるのもなかなか難しいりんごです。
とてもかわいいりんごですが、不思議で気難しいりんごとも言えるでしょう。
小さいりんごなので、収穫にはとても手間がかかります。
UCHICOLOR専属の生産者は、それを一個一個摘んで収穫するのです。
                     

岩手県では、ふじの受粉樹としていち早くメイポールを研究し、りんご園に導入されました。
が、今では受粉樹もいろいろ開発され、メイポールは忘れ去られつつある受粉樹でもあります。
メイポールを植えているりんご園は当時でも珍しく、今では、あっても数軒で、1,2本といったところです。
写真はありし日の北上農研センターのメイポール並木です。
松明のようにも見えますね。ろうそくの灯りにもみえますね。